Jackie McLean -- "Swing Swang Swingin'"


ウチのかみさんの話なんぞ誰も聞きたがらないだろうね・・・もちろん、ボクだってあまり書きたいわけじゃない。これまでも呑み屋のカウンターで愚痴のネタにしたことはあっても、自慢のタネに登場させたことなど一度だってない。一言でいえば、KYを絵に描いたような御仁なのだ。ボクがして欲しいことを察知して先回りしてやってくれるような女性でいてくれたら・・・なんて淡い期待をもったこともあった。しかし・・・あれから30年。(ここは綾小路きみまろ風に読むところよん。)

そんな彼女が・・・信じられるかい?・・・最近、毎朝起き抜けに日替わりでジャズのCDをかけてくれるようになった。眠気まなこで台所に降りていくと・・・なんと!熱いコーヒーとジャズのBGMでお迎えしてくれる。
いったいどうなっちまったんだい?
きっと地球最後の日が近付いているに違いない・・・その事をごく一部の科学者と、なぜだかウチのかみさんだけが知っているのだ。彼女の脳の中に奇跡的に残っていたシショウな心持ちが、この末世に至って表層にふわりと浮かび上がってきたに違いない。これは何かの間違いである。そうでなければ奇跡と呼ぶべき現象だ。
祈りなさい・・・。

奇跡はまだ続く・・・・
なんとジャズのアルバムは、ボクの日々の心情を映し出すかのように、ある種の洞察と配慮によって選ばれているようなのだ。昨日は Herbie Hancock の "Speak Like A Child" だった。その前日はペトちゃんの "Both Worlds" 、そしてその前日は Horace Silver の "Song For My Father" だった。そしてさらにその前日は・・・(おっとあまり書くまい!好みがばれて匿名の意味が無くなっちゃう。)
アルバムはその日の気分を温かく容認してくれるものであったり、前日から引き摺ってきたものを「もう忘れなさい」とでも言わんばかりにスパッと剥ぎ取るものであったりする。

Jackie McLean の比較的ありふれた一枚の盤を紹介するのに、これだけ前置きするのか?!という御批判覚悟で書いてきたが、実際、この盤こそが「今朝の一枚」だったのだ。正直なところ、昨日起きたある出来ごとでボクはかなり滅入っていたし、コーヒーを飲んだらもう一度寝床に coming ba〜ck! っていうような気分だったのだが、何だかJackie のアルトの音に身を任せていたら、お腹の底が熱くなってきた。そしてそこからむくむくと元気が立ち昇ってきた。

一曲目は What's New ・・・ おそらくJackie本人も音程が上ずっているのを意識しつつ、それでもブローしまくってくれている。これは腫れぼったい眼をして亡霊のように目覚める後期中年オヤジのために演奏されたに違いない。
「それならそれでいいんだよ!吹いてやっからよ・・・B級人間さん!」ってね。

嗚呼〜救われる!

4曲目の I Remeber You のテーマが流れ出す頃には、ボクは揚々と仕事場に向かって闊歩していた・・・動詞 swing の活用形を繰り返し呟きながらね。
「あのピアノは誰だっけなぁ・・・Wynton Kerry みたいだったけど・・・仕事場についたらすぐに調べてみよう」 ・・・ 歩幅がまた少し広くなった。

BlueNote, 1959
 Jackie McLean (as)
 Walter Bishop Jr (pf)
 Jimmy Garrison (b)
 Art Taylor (ds) 


 




コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック