McCoy Tyner -- "Nights Of Ballads & Blues"


うちのオカンがこのアルバムをCDプレーヤに乗っける時、それは二つのケースのどちらかである。

一つは、ボクが落ち込んでいて、朝イチからジャズでもねえよなぁ・・・てな顔をしてキッチンに顔を出すときだ。オカンは人の気分がどうであろうなんてことを感じるアンテナを、どこかに置き忘れてきたような御人なのだが、さすがにボクの不機嫌についてはその信号を感知するのが速い。「とばっちり」を受けるのはさすがに嫌なのだろう。そしてこの盤で、ボクの心にカンフル注射を打っているような気になっているのかもしれない。

もう一つ・・・それは単にアルバムをセレクトするのが面倒なときだ。
迷ったらコレと決めている風にも見えるが、三日も四日もこの盤が続くことがあるから、ただの「ものぐさ」なのかもしれない。

はてさて・・・今朝はいずれのパタンだったのだろうか?

McCoy Tyner は言わば Coltrane の後継者とも言うべき人物。譲れない彼一流の歌心を残しつつも、スピリチャルで求道的とも言えるアルバムを次々と世に送り出してきたアーティストでもある。
学生時代、ジャズ喫茶へ行くと、"Real McCoy" がよくかかっていたし、"Fly With The Wind" やら "Trident" といった新譜が出るたびに頻繁にリクエストされていたように思う。いまでもそれらを聴くと、当時の興奮が蘇ってくる、いや当時以上にというべきか、心の奥が音楽的緊張に包まれ、金縛りに似た状態に陥る。その極めつけは名盤ブログで紹介した "Echos Of A Friend" だ。こんな名盤はまたとない。
http://blog.t-jazz.com/?eid=42

それほどまで惚れこんでいる McCoy なのだが、ジャズを聴くにも TPO ってものはある。寝ぼけ眼でトーストをかじりながら聴くのは、そういった大仰な大作ではなくて、リラックスして聴ける小品集だろう。McCoy の変わらぬ歌心を傍に置きたいのだ。

実際、ボクはこのアルバムにずいぶん癒されてきた・・・そしてきっとオカンも。
「おいおい、また Ballads & Blues かよ?!」・・・の日々が、これからも繰り返し訪れるのだろうな。


McCoy Tyner Trio, Impuls!, 1963
  McCoy Tyner (pf)
  Steve Davis (b)  
  Lex Humphries(ds)


※蛇足ながら・・・このジャケットどう見てもイケてない!デザイン変えるだけで売上が数倍に伸びたであろうに・・・なんとももったいない話だ。
 「(甥の)○○ちゃんと似てへん?」とオカン。ちゃうちゃう、これが real McCoy なんだって!






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